保育園児の息子の鼻水が止まらなくて困っています。鼻がつまって苦しそうだし、中耳炎になって熱が出てしまったり本当に心配が絶えないんです。お薬を飲んでもなかなか治りません。
こんにちわsekaiinaです。
鼻水が出続けている事とても心配です。早く治しあげたい気持ちです。
この記事では、薬剤師が子供の続く鼻水、鼻詰まり繰り返す中耳炎そして発熱に日々悩まされながらも、子供特有の原因を知り医療的な治療により実際に明らかな改善がみられたお話をお伝えしたいと思います。
止まらない鼻水、鼻づまり繰り返す中耳炎の解決には以下の記事が参考になると思います。お役に立てれば幸いです。
小児に鼻水が続く原因
アレルギーによる鼻水
花粉やほこり、ハウスダストなどのアレルゲンによって起きる炎症反応で鼻水がでます。
透明で水のような鼻水が特徴で抗アレルギー薬を使います。
ここで注意なのですが熱性痙攣の経験がある子供には、特に発熱時抗アレルギー薬の抗ヒスタミン薬は使わない方が好ましいです。
感染による鼻水
ウイルスや細菌が副鼻腔に入り込む事で炎症を起こし鼻水が出る。色が濃く粘り気のある鼻水が特徴でこういった場合は慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の疑いがあり抗生剤を使います。
そして慢性的な副鼻腔炎にはアデノイド増殖症が関係している可能性があります。
今回の記事のメイントピックスは、
アデノイド増殖症による慢性炎症が蓄膿症の原因になるという事です。
アデノイド増殖症ってなんぞな?ワシは聞いた事ないぞ。
アデノイド増殖症とは何か?
アデノイドとは上咽頭(鼻の奥の突き当たり喉との間の部分)にあるリンパ組織のかたまりで細菌やウイルスから体を守る免疫機能に関係しています。
2歳頃から大きくなり始め6歳頃に最も大きくなり、10歳頃までに自然に小さくなっていきます。
アデノイドが増殖してトラブルを生じた状態がアデノイド増殖症です。
そのアデノイドが大きくなった状態だとどんな症状が出るのじゃ?
アデノイド増殖症の症状と影響
□アデノイドが増殖し大きくなった状態では空気の通り道が狭くなります。
- 常に鼻汁を認めることが多い
- 鼻づまり
- 口呼吸
- いびき
- 睡眠時無呼吸症候群(重症化の場合)
- 中耳炎や副鼻腔炎になりやすく治りにくい
□鼻詰まりが原因で口呼吸になり常時口が開いているため口の周りの筋肉も低下していきます。
- アデノイド顔貌(口元が締まりのない顔つき)
- 歯並びの悪化
顔つきまで変わってしまうなんて怖くなってしまいました。アデノイド増殖症かもって気がつければ良いのですが・・・不安です。
そうじゃなあ。
普段ありがちな症状が多いから見過ごしてしまうかもしれないじゃ。
子どもが風邪を引いて、鼻づまり、口呼吸、いびきを起こすことはよくありますが、風邪の症状が軽くなってもこれらの症状が続く場合は、扁桃肥大やアデノイド肥大と考えらるので受診するようにしてください。
アデノイド増殖症を見過ごさないために
- 寝起きの悪さ
- 日中の強い眠気による居眠り
- 集中力の低下
さらに睡眠中の子供の状態をいま一度、確認してください。
5分間添い寝をしていて、大きないびきや呼吸の一時的な停止が見られれば、要注意です。
症状が多様であるために原因がアデノイド増殖症と気づかないことも少なくありません。疑わしい症状がある時は耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。
耳鼻咽喉科を受診
耳鼻咽喉科を受診してみましょう。ある程度インターネットで情報収集して最新の治療ガイドラインを知り、それに沿った治療をしてくれる医師を探せると安心です。
そうは言っても、どうやって治療ガイドラインに沿った治療をしてくれるのか判断するのじゃ?医療の事はワシにはさっぱりわからないぞ。
確かにその通りです。受診してみないと分からないのが本音ですが・・・
受診前に出来る事としては
- クリニックのホームページや医師のプロフィールを考慮する
- 口コミもある程度参考にする
受診した後
- 受けた治療の内容と処方されたお薬を調べる
疑問を感じた場合
薬のことなら薬剤師に聞いても良いですし、場合によっては他のクリニックへ変えても良いと思います。今は患者さんが自由に選ぶ時代です。
アデノイド増殖症の治療
レントゲンなどの画像診断や小児用ファイバースコープでアデノイドの大きさを確認します。
経過観察
アデノイド肥大が大きくても、呼吸障害や睡眠障害への影響が少なければ経過観察を行います。
手術での摘出
以下の症状を持続的に認める場合または重症である場合、全身麻酔下の手術での摘出を検討します。
- 鼻水
- 鼻詰まり
- 睡眠時無呼吸症候群
- 繰り返す中耳炎
手術は通常は3〜4歳以降に行われますが、症状が強い場合にはもっと低年齢でも行われています。
手術は難しいものではなく、外から傷が見えることはありません。多くの場合、症状は手術後明らかに改善します。
アデノイド増殖症の小児では喉の扁桃腺も大きい傾向にあるため、多くの場合アデノイド切除とともに喉の扁桃腺も摘出されることが多いです。
喉の扁桃線が大きい子供では、アデノイドも同時に大きくなっていることが多いということじゃな。
鼻水の吸引は無効?
手術なんてとても怖くて耐えられません。鼻水の吸引は電動のものでこまめに行っているので、それではだめですか?
アデノイド増殖に対しては薬は効きにくく、器質的な鼻詰まりは吸引では改善できません。
薬の内服や鼻吸入が行われ、それでも改善せず症状が治りにくいものが手術(アデノイド切除術)の対象となります。
最後にまとめ
今回の記事は、
幼児の鼻水や鼻詰まりが何をしても治らない、中耳炎を繰り返して熱を出すこともあるなど悩みを抱えている人へ、まずアデノイド増殖症という子供特有の原因があることを知ってほしいと思いで書きました。
アデノイド増殖症だからといって絶対に手術を受けなくてはならない訳ではありません。両親の選択と成長への影響を考慮して判断される事が多いです。また、発見後すぐにという訳ではなく、ゆっくり考え納得したタイミングで手術を受ける事ができます。
そして手術後は、明らかに症状が改善することは確かです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
私の子供も手術を受けました。術後は劇的な改善がみられとても元気です。
「アデノイド摘出手術の実際」については以下の記事を参考にして下さい。
大丈夫!!アデノイド増殖症は改善出来るものです。
そうじゃな!大丈夫じゃ。実際に大丈夫じゃったんだからの。
そして次はあなたが悩んでいる誰かを救えるかもしれません。
少しでも世の中が明るくなることを願って、そして今日が良い日であります様に!
またお会いしましょう
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