子供の鼻水や鼻詰まり、いびき、繰り返す中耳炎に頭を悩ませて耳鼻咽喉科を受診したら、アデノイド増殖症が主な原因になっていてアデノイドを取る手術が必要と言われてしまい、とても不安です。
こんにちはsekaiinaです。突然手術だと言われると気が動転してしまいます。もちろん子供のことを治してあげたいですが、不安は強いと思います。
今回の記事では以前記事にしたアデノイド増殖症によって起きていた、慢性的な副鼻腔炎や中耳炎、いびきなどの改善のために受けたアデノイド摘出手術の具体的な内容と経過をお伝えしたいと思います。
アデノイド増殖症については下の記事を参考にしてほしいのじゃ。
参考になれば幸いです。
アデノイド切除/口蓋扁桃摘出/鼓膜チューブ留置を一度に
今の鼻水や鼻詰まり、いびき、繰り返す中耳炎を改善するには、アデノイド切除手術と一緒に喉の扁桃腺を取るのと、両耳の鼓膜にチューブを入れた方が良いと言われました。怖いし、不安です。
中耳炎や無呼吸の改善のために必要であれば、アデノイド切除手術に加えて以下の手術も同時に行う場合があります。
- 無呼吸に対して【口蓋扁桃摘出手術(へんとうせん手術)】
- 中耳炎に対して【鼓膜チューブ留置手術】
鼻、喉、耳の症状を総合的に改善し治癒する可能性をより高めます。
それぞれの手術の目的や方法リスクについてまとめてみます。
一つ一つ落ち着いて見てみるのじゃ。
【アデノイド切除手術】ー説明ー
アデノイドの肥大は、以下の原因になっています。
- 鼻水(副鼻腔炎)
- 難聴や発熱(中耳炎)
- いびき(睡眠時無呼吸症候群)
目的
肥大したアデノイドを切除することで、鼻腔の通りを良くし細菌の供給を絶ちます。それにより副鼻腔炎や中耳炎、いびきや睡眠時無呼吸症候群を治癒する可能性を高める事を目的にしている。
方法と特徴
全身麻酔下、アデノイドは口の中から焼却吸引することににより切除。
外から傷が見えることはないのじゃ
期待される結果
術後1週間程度で鼻呼吸がスムーズに出来るようになり、鼻詰まり、いびき、無呼吸が改善し副鼻腔炎や中耳炎になりずらくなります。
鼻炎や扁桃肥大(のど奥両側)合併すると鼻詰まりが完全には無くならない場合もあります。
リスク
術後24時間以内と数日後に術後出血の危険性があります。術後出血した場合はまず圧迫止血を行いますが、それでも止血されない場合は再度手術室で全身麻酔をかけて止血術を行う事があります。
低年齢で手術を受けた場合はアデノイドが再肥大することもあります。
手術を受けなかった場合
アデノイドの肥大は自然なものなので年齢とともに小さくなりますが時間がかかるため、中耳炎を反復したり睡眠時無呼吸が改善されないことが予想されます。
10歳ごろからやっと小さくなり始めるのじゃ。それまで酸素の供給がうまくいかず成長や発達に影響を与えてしまう場合もあるみたいなのじゃの。
【口蓋扁桃摘出手術】ー説明ー
口蓋扁桃(のどの奥両側)の以下の症状に対して行われる。
- 反復性扁桃炎(繰り返し細菌感染を起こし喉の痛みと発熱)を繰り返す場合
- 口蓋扁桃の肥大によって呼吸経路が狭くなっている場合
- 病巣感染が疑われる場合
目的
口蓋扁桃(のどの奥両側)を摘出することで、反復性扁桃炎や睡眠時の無呼吸を改善することを目的にしている。
方法と特徴
全身麻酔下、口の中から行う。
口の中からするから傷は外からみえないじゃ。
子供のマスク麻酔では事前に子供が好きなフレーバーを選ぶことができます。
口蓋扁桃を被っている被膜を周囲の組織から剥離しながら、扁桃に入る血管を電気凝固で止血して切断していき扁桃摘出。出血点があれば電気凝固で止血する。
期待する結果
術後は、扁桃炎による熱を出しにくくなります。睡眠時の無呼吸の改善が期待できます。
リスク
術後1〜2週間の喉の痛みが続きます。
術後出血した場合はまず圧迫止血を行いますがそれでも止血されない場合は再度手術室で全身麻酔をかけて止血術を行う事があります。
術後の咽頭違和感、味覚異常が生じることがあるが通常術後数週間から数ヶ月で徐々に症状は良くなります。
手術を受けなかった場合
扁桃炎が原因の発熱や咽頭痛を繰り返しその都度通院し治療を受けることになり、また無呼吸の改善は期待できない。
受験や大事な時に熱を出したりしたらかわいそうじゃのう。
【鼓膜チューブ留置手術】ー説明ー
難治性、反復性の滲出性中耳炎によって鼓膜に水が貯まって以下の原因になっている場合。
- 難聴
- 急性中耳炎
目的
中耳腔内の膿汁や水を除去し中耳の換気を改善するために鼓膜チューブを留置し、難聴や繰り返す中耳炎を改善し治癒する可能性を高めることを目的としている。
方法と特徴
小児の場合は全身麻酔下(マスク麻酔)、鼓膜に切開を入れ水を吸引し切開した部分に換気チューブを挿入し留置。
大人の場合、外来日帰りでできる手術なので難しいものではないのじゃ。
期待される結果
チューブが留置されている間は中耳腔内(鼓膜)に水が貯まる可能性は低く聴力の低下はありません。中耳炎を繰り返す回数も減ります。
リスク
チューブが稀に中耳腔に落下することがありその場合は取り除く手術が必要です。チューブはおおよそ半年から1年で脱落することが多いですが、2年程経過しても自然に抜けてこない場合は除去する処置をします。チューブが抜けた後、鼓膜に穿孔(穴)が残ることがありその場合は処置が必要です。
チューブが抜けた後同様の症状にて再留置が必要となる場合もあります。
手術をしなかった場合
薬剤治療の方法もありますが内服を続けても貯留液が残存している例が多数あり確実性ではチューブ留置に劣ります。
実はずっと水が貯まっていて、聞こえが悪かったりすることがあるみたいじゃの。
【実際】手術の流れとその後の食事
怖いし不安で色々と考えたのですが、良くなるための手術なので受けることに決めました。手術を受けた後の様子を少しお伝えできれば、お同じ状況の方に安心してもらえると思います。
入院〜手術当日
入院期間は7日間
- 手術前日午前中に入院、昼食、夕食を食べ翌朝8時の手術の場合 夜9時から絶食、朝6時ごろより水分を禁止
- 翌朝保護者と共に手術室へ保護者は麻酔で眠るまで見守るその後病室で待機
- 約2時間弱の手術を終え意識が戻った状態で帰ってくる
術後の食事経過
当日手術直後:おなかが動き始めてから飲水が可能、夕食から3分粥
術後1日目:5部粥(果実が入っていないゼリー、ヨーグルト、プリン可)
術後2日目:7部粥、麺類、パン可
術後3日目:常食(おかしなどのおやつは食べれません)
熱いもの固いもの柑橘類は出血リスクがあるため控える、炭酸飲料、香辛料も不可。
目安としては上記の様な流れですが、術後3日くらいまではあまり食べれませんでした。体重はトータルで1kg弱減りました。
ちなみにシャワーは術後5日目以降に医師の許可が出たら入れるのじゃ
【入院1週間】術後の経過と様子
手術直後、目を覚ました時は、少し興奮状態にあることがあります。
点滴を嫌がって取ろうとしたり、なかなか落ち着かない様子でした。喉に違和感があるみたいで、すぐに何か飲みたいと言い泣いてしまいました。
お腹が動き出すまでは飲めません。
飲ませてあげられないのも辛いじゃがの、少し我慢じゃ。
しばらく落ち着かない様子が続き、その後疲れてしまい寝てしまいました。夕方目を覚まし飲み物を一口飲みましたがその後は飲みたがりませんでした。熱もあり少しぐったりとしています。
術後は喉の炎症があるので、発熱したり話す時は少しこもった様な感じになります。鼻水は手術の影響で1週間くらい続きます。
その後、痛み止めを飲みましたが、夕食も食べたがらず、いつもは大好きなゼリーやヨーグルトも食べれないと言い、あとで食べると言っていました。
内服で痛みが取れない場合は、座薬を使ってもらった方が良いです。
飲み込む動作が思った以上に痛かったんじゃな。
翌日もほとんど食事はできませんでしたが、少しずつ活動がみられてアイスなどから食べる様になりました。その後は日が経つにつれて確実に元気になったっという感じです。
手術後7日目ごろが一番出血リスクが高いので、動ける様になっても安静を心掛けましょう。
手術を終えて
手術する前や手術直後は心配しましたが、鼻水も止まって寝る時もすごく静かです。今まで悩んでいた症状がびっくりするくらい改善して手術を受けて本当によかったと思っています。
口蓋扁桃摘出手術の侵襲性があり他の2つの手術よりも痛みがでます。術後2週間ほどで痛みも落ち着き普段生活に戻れます。
子供自身、「あ〜いい匂い」とか「よく寝たあ〜」など言う様になったそうじゃ。めでたしじゃの。
最後にまとめ
今回の記事は実際の手術の体験に基づいて書きました。鼻水、鼻詰まり、いびきに対して手術という選択肢もあり、比較的小児によく行われる手術であることをまず知ってほしいと思います。そして個々が納得して後悔のない選択をする手助けになれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。手術を受けるまでは不安でしたが、結果としては受けてよかったと思っています。症状が劇的に改善し明らかに見てわかる程です。なにより子供自身が楽になったことがとてもうれしいです。
次はあなたの体験談が悩んでいる誰かを救えるかもしれません。少しでも明るい世の中を願って、今日がいい日であります様に!ではまた次の記事でお会いしましょう。
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